初めての出産で初めての子育て・・・。何もかも初めてだらけで、何をどうすればいいのかわからなくて、育児雑誌を読みあさっては日々、子どものお世話に奮闘していませんか?今回は育児書にはサラッとしか書かれていないことを深掘りしてみたいと思います。
子育てをしながら、どんなふうに子育てをしたらいいんだろう?と思ったあなたにどの年齢でも当てはまる子育てのポイントをお伝えします。
無条件の愛をそそぐ
無条件の愛「ありのままのきみが好き♡」を伝える。例えば、鉄棒ができなくて落ち込みながら練習をしている子どもにあなただったら、どんな言葉をかけますか?
◎鉄棒が苦手な○○くんも大好きだよ
➡こんなふうに言われたら、どんな自分も愛されていると子どもは
感じて、安心します。
↕
ところが・・・
×鉄棒が得意な○○くんが大好きだよ
➡こんなふうに言われたら、子どもは鉄棒ができないことがつらくなります。
「鉄棒が得意だから好きという条件付きの愛」は鉄棒ができないなら好きではないとなります。
【子どもの思考】
『鉄棒ができないといけないんだ、できないと愛されないんだ』
↓
『いい子じゃないといけないんだ』『能力が高くないといけないんだ』
↓
<結果> 条件付きの愛で育った子は自分が周りからどう評価されるかをとても気にするようになります。条件付きの愛を繰り返し与えられると自信をもって生きられなくなります。そして、こんな子どもに育ちます。
・生きづらくなる
・人の顔色をうかがうようになる
・自分を出せなくなる
・自信がなくなる
・人前で発表できなくなる
こんな子どもを育てないようにするには・・・
毎日スキンシップ
鳥取県琴浦町で、わずかな時間、子どもと向き合って親子関係を深める「10秒の愛」運動が広がりつつあります。気軽に始められ、親子関係の改善につなげられるといわれています。たった10秒、されど10秒、ぎゅ~っとハグするだけ。
これだけでも、毎日の積み重ねが大切愛情表現で子どもに愛と安心感をあたえます。一緒にお風呂にはいったり、小さい時はだっこもいいですね。中高生なら『いってらっしゃーい!」のハイタッチでもいいですね。
たった10秒だから忙しい朝でもできます!疲れているときも、子どもからもパワーをもらえます!スキンシップで体内の幸せホルモンが増加!健康につながるのでいいことづくめですよ!
子どもを信じる
ついついやってしまいがちなママさんの行動は『心配すること』ではありませんか?「宿題したの?」「忘れ物ない?」「明日のテスト大丈夫?」などなど。私も子どもが小学生のころについつい、聞いてしまっていました。
子どもの頃、親が口うるさいと感じたこと、一度はありませんか?『心配する』=(相手を)信じられないことにつながるんです。例えば、友だちに「お料理できる?昔からあなたは不器用だったから。」と言われたら、あなたはどう思いますか?
心配されて単純に『自分を大切に想ってくれている』と感じる場合もあります。でも、心配されると、場合によっては自信がなくなり、嫌な気分になることもありますよね。子どもも同じなんです!ばっちりテスト勉強をしていても、「大丈夫?」とママさんに心配されると
『勉強したのに“できない”と思われてるんだ。』『能力が低いと思われているんだ。ぼくはできないんだ。』と自信をなくします。親から信用されて育った子は自信や自主性があります。やる気もあり、打たれ強くもなります。
「勉強がんばってたから、きっと大丈夫だよ!」と言ってもらえると自信がもてますよね。子どもがされて嬉しいのは心配ではなく信じてもらうことです。私は幼いころ、バレーボール部に入っていました。
そのころ、補欠選手ではなくレギュラー選手になりたくて、毎日頑張って練習をしていました。そんな私に母親は「あなたはレギュラーにはなれないよ。」と言いました。レギュラー選手は身長が高い子が優先的に選ばれるという母親の思い込みがあったと思います。
そこから、頑張って練習しても身長が低かった私はレギュラー選手にはなれないという考えになったのではないかと思いますが・・・。レギュラー選手にはなれないと言われた当時小学生の私は、ショックでした。
1番身近で応援してほしい親から、『なれない』と決めつけられて、自分は信じてもらえないんだ・・・と失望し、ものすごく傷つきました。それでも私は一生懸命に練習をしてレギュラー選手になりました。
それでも、あのときの傷の影響は大きく、自分に自信がもてず、大人になった今でも新しいことに挑戦するときに『自分にはできない』という刷り込みが邪魔をすることもあります。私は大人になってから、自信が持てない原因に気づき、自分なりに克服するのが大変でした。
同じような思いを子どもたちにはしてほしくないと思っています。親のささいな言動が子どもに与える影響は重いことを身をもって体験したので、私は子育てや保育のなかで関わるすべての子どもたちを信じるようにしています。
子どもを信じることが子どもにとって大きな自信やチャレンジする勇気につながります。
子どもの心の負担を感じとる
「やればできる!」この言葉を子どもに言っていませんか?実は言葉、過剰な期待がふくまれています!励ましのつもりで言った言葉なのに、子どもは逆に追いつめられていたとしたら・・・。
「もっと練習すれば泳げるようになれるから。」「がんばれば100点とれるよ。」たしかにがんばれば、できなかったことができるようになります。でも、がんばってもできないこともあります。大人の世界にもありますよね、がんばってもできないこと。
私もあります。忍耐力や継続力には個人差があります。何気ない「やればできるよ!」で、できる子もいます。一方でがまんにがまんをかさねて、心にものすごく負担をかかえてしまう子もいます。追いつめられた子どもは、ひねくれたり反発をするようになります。
そうなる前に子どもへの過剰な期待を私たち親が、いち早く感じてやめることが子どもたちを救います。
<子どもの心の負担チェック>
・表情が暗く、苦痛な様子はないか?
・「ただいまー」の声のトーンが暗くないか?
・すぐに部屋に閉じこもってしまうことはないか?
わずかな子どもの心の変化をよみとれるのは一番身近にいる親です。早めに気づいてあげられるのも、愛情をかけている証拠ですよ。これは私の子どもから聞いた話ですが、こんな例もあります。友だちBちゃんは両親がとても厳しいそうです。
中学生にもなると、ゲーム機器やスマホなど、ほとんどの子どもが持っています。でも、Bちゃんはそういったものは何ひとつ持たせてもらえません。もちろん、学校では推奨されていないものなので親が持たせたくない気持ちもわかります。
それだけではなく、部活はバトミントン部に入りたかったのですが、母親にダメだと言われ「バレー部に入りなさい。」と言われ、Bちゃんは仕方なく言われたとおりにしているそうです。そして、家にいることがつらくて、帰ったら自分の部屋に閉じこもっているそうです。
学校の方が良いと言って友だちにつらさを吐き出しているそうです。これは私の個人的な意見になりますが、子どもが苦しくなるような厳しさは基本的にはいらないと思います。人や自分を傷つけるようなことをするときにはもちろん、親として厳しさも必要です。
私の言っている厳しさとは、子どもの意思や気持ちを押さえつけるような厳しさはいらないということです。どんなときも、まずは子どもの気持ちを聞いてあげてほしいと思います。そのうえで、親としての思いを伝えて、大切なひとりの人間として子どもを尊重して話し合うことをしてほしいと思います。
『自分の居場所が家庭にはない!自分の思いを親に尊重してもらえない』と悩んでいる子がこんな身近にいるのかと思うと、いたたまれなくなりました。ひとりでも多くの親が子どもの気持ちに寄り添える大人であってほしい・・・。そんなふうに願っています。
個性を見つけて伸ばす
他の子と自分の子を比べない。
ついつい、自分の子どもとよその子どもを比べたり、兄弟で比べていませんか?「お兄ちゃんは勉強ができるけどなんであなたはこんな点しかとれないの。」「○○ちゃんは○○ちゃんより絵が上手だね。」
こんなふうに人と比べられて育った子は「私はダメな人間だ」「私は人より劣っている」と思うようになります。
自責➡「私はダメな人間だ」と自分を責めるクセがつくと問題が起きるたびに責め続けることで、うつ病や精神疾患を発症しやすくなります。
劣等感➡「私は人より劣っている」と感じやすくなると「自分が成長することをあきらめがちになる」ことが多いです。
また、人の足を引っぱるようになる。→人の悪口、陰口、クレーマー、意地悪など、劣等感が強いと「めんどくさい人になってしまう」ことがあります。人と比べるのではなく短所も長所もその子の個性とみるようにすると子どもはストレスなく、のびのびと育ちます。
(短所を個性としておきかえた例)
集中力がない ➡ いろんなことに興味がある
落ち着きがない ➡ 活発に行動する
すぐに泣く ➡ 感受性が豊か
個性があるから、おもしろい、たのしい、ひかれる、すてきなんです。私は姉妹で比べられて育ったひとりです。姉は勉強ができる方で、私は勉強が苦手でできない方だったので外へ出ると母親は「お姉ちゃんは勉強がよくできるんだけど、この子(私)はできないから・・・。」と私の前で、よその人に姉の自慢話をしていました。
子どもながらに私の心は傷つきましたし、母親への想いは不信感へと変わっていきました。そして、母親からの評価から「私はダメなんだ」という自責の思いに苦しみました。成人して勤めるようになってからも自分のミスはもちろん、人のミスも自分が悪いんだと自分を責めつづけてきました。
私は運よく?!うつ病にはなりませんでしたが、自分の思考の間違いに気づくまでは何年も苦しみました。今は母親を責めるつもりはありませんが、間違った自責の思いに気づかなければ、自分の子どもにも同じことをして傷つけてしまっていたかもしれません。
もしかしたら、母親も幼いときに親から周りの子と比べられて育てられたのかもしれません。虐待は親から子へと連鎖しますが、虐待に限らず、育てられ方も連鎖を起こしてしまうと私は感じています。自分が子どものころ親からされて不快だったことを自分の子どもにしてしまっているとしたら、今すぐにあらためてほしいと思います。
どこかで、連鎖を切らなければ、子どもの次の世代へと間違った子育てが受け継がれてしまうからです。
子どもの話をよく聞く
話をきいて共感してもらっている子どもは「お父さん、お母さんは自分に共感をして話をきいてくれる。私のことをわかって認めてくれる。愛されている。大切にされている。」と感じます。
対照的に少年鑑別所にいる子どもたちは「うちの親は話にならない」「何を言ってもムダ!」「まったく聞く耳をもたないから何も言う気にならない」と言う子が多いそうです。(少年鑑別所の職員が書いた本より抜粋)
よい親子関係ができていれば「大好きな両親に心配をかけたくない。困らせたくない」という子どもの思いから非行防止につながります。私の子育てからの反省点をお話ししますね。私は子どもが小学生の中学年になったころから、パート勤務から一日勤務に切り替えて、朝から夜遅くまで働きずめでした。
そのころは、仕事、家事、育児で自分の時間がない状態で心にも余裕がない毎日でした。子どももそんな私を見ていて話しかけてくるものの、私がどこかうわの空で話を聞いていると感じたようでさみしかったし、当時は話しかけづらかったと教えてくれました。
自分では、子どもの話をしっかりと聞いていたつもりだったんですが、子どもがそんなふうに感じていたならば、申し訳ないと思いますしもっとそのとき、聞いてあげればよかったと思います。その後、このままでは私は倒れると思って仕事をやめました。
そうすることで、家計は苦しかったのですが、心に余裕ができたことであの当時を子どもと笑って話せるようにもなりました。今、子どもは中学生で思春期真っ只中ですが友だちのこと、自分の思いや将来やりたいことなど、いろんなことを話してくれるようになりました。
私が子どもに気を遣わせていたんだと反省しています。なんでも話せる親子関係でいることでこの先、人間関係や試練にぶち当たったときにひとりで悩まなくてすむと思うので、身をもって子どもの話をしっかりと聞くことが必要だと感じています。
まとめ
子どもへの愛情のそそぎ方は「無条件の愛をそそぐ」「毎日のスキンシップ」「子どもを信じる」「心の負担を感じとる」「個性を見つけて伸ばす」「子どもの話をよく聞く」です。なにひとつ難しいことはありません。
毎日のこころがけで、実践していけば子どもが大人になってもいつまでも、良い親子関係でいられますよ。良い親子関係を作ることで、子から孫へと、次の世代へと良い連鎖をつなげていきたいと私は心から願っています。
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