子どもが入学、進学をするタイミングで、よく起こることといえば 不登校ですよね。中学校や高校へと入学はしたものの4月、5月と新生活や友だち関係 に少しずつ慣れ始めたかと思いきや、ある日突然「学校へ行かない」と言い出すこともあります。
うちの子も中学校進学と同時に不登校になりました。不登校になってから元気になるまで、子どもと一緒にあれやこれやと試しながら乗り越えてきました。今回は私の実体験にもとづいて子どもが不登校になったときにのりこえるために私がしたことを紹介していきたいと思います。
不登校になったときに私がしたこと
うちの娘は中学校へ入学すると1週間で不登校になりました。うちの娘の場合は「学校へ行けないかも?!」と言い出したのが始まりでした。その時点では数日休めば、また登校し始めるだろうと私は安易に考えていましたが、そこからが長い長い本当の意味での不登校の始まりでした。
私が不登校の娘に対してしたことは次の5つです。
◆学校を学校を休むことを認めたこと
◆一緒になるべく軽い運動をする
◆とにかく気持ちに寄り添い、見守る
◆病院へ受診する
◆とにかくほめる
学校を休むことを認めたこと
上から順番に少しずつ詳しく説明していきますね。
1番最初に私が始めたことは「学校を休むことを認めたこと」でした。「学校に行けない」と娘から言われたときは親としては驚くと思うんですが、私の場合は驚くよりも「そっか~。じゃあ、休めば?!」というあっさりとした対応でした。
私の考えでは嫌なのに無理していく必要はないと思うからなんですよね。教育熱心なママさんからすると「勉強が遅れてしまう」「学校になんとか行かせなきゃ」と焦る気持ちもあるとは思うのですが 、私にはまったくそんな思いは、わいてこなかったんです。
そうは言っても中学校は義務教育なので無断で欠席するわけにはいきませんよね。休むためには理由が必要です。そこでどうして学校へ行けないのか?を娘に聞きました。娘は教室にいると過呼吸のように苦しく、しんどくなるという理由でした。
最初は多少のしんどさなら学校に行ってみて、がまんできなかったら保健室で休むとか、早退するでもいいんじゃない?と提案したこともありました。それでも、娘が「無理」「しんどい」の一点張りだったので 、これは我慢できないレベルのつらさなんだと受け止めて、学校へは娘の状態をそのまま伝えて学校を欠席することにしました。
もちろん、無理やり学校へ行かせるという選択肢もありましたが 、学校を休むという選択を私が認めた理由は2つあります。
1.無理やり登校することで娘はますます学校へ行けなくなり 、ひきこもりになる可能性がある
2.子どもの気持ちを尊重してあげたい
単純にこの2つの理由から学校をお休みすることにしました。
一緒になるべく軽い運動をする
この頃の私はフルタイムで仕事をしていませんでしたので 、とことん、子どもに寄り添うことにしました。それまでフルタイムで毎日がヘトヘトになるほど、朝から晩まで仕事詰めの生活をしていたので、私自身のメンタルが弱っていました。今思うと、私のメンタルのダメージが娘にも何かしらの影響を与えていたかもしれません。
それでも、家にこもっているのはよくないと感じたので、毎日のように午前中は30分~2時間の散歩をしていました。その日の体調や天候によって時間は加減していましたが、外の空気を吸って、じんわりと汗をかいて身体を動かすと気分的なストレスも和らいでいました。
歩きながら、たわいもない話をして過ごしていました。身体を動かすことで、ストレス解消やひきこもり防止効果は、あったように感じています。実際に太陽光を浴びることが、うつ症状のときに問題となるセロトニンの減少を防いで、セロトニンを増やしてくれる効果があります。
メンタル的にしんどいときこそ、体調をみながらなるべく散歩など 、軽い運動をしたことが精神的にも安定するきっかけにもなったと思います。
とにかく気持ちに寄り添い、見守る
娘が体調も含めメンタル的にもつらそうなときは 、話しかけるよりもなるべく、見守るようにしました。心配な「大丈夫?」「体調はどう?」など、ついつい何度も聞きたくなりますが、それって娘の立場だったらきっとただ、うざいだけだろうな・・・と思うんですよね。
私は体調がつらいときはそっとしておいてほしい派なので、よっぽどつらいときは小さい子と違って自分で伝えることもできますしね。学校側や周りの大人からすると簡単に「なまけているんだろう」「元気そうだけど本当に学校へ行けないの?」なんて思われがちですが、そこは私だけは娘の気持ちを信じて尊重して決めました。
また、私が意識的に言うようにしたことがあります。それは「私は娘を信じています。」ということです。娘は周りの大人に不信感を持っていたのも事実なので、娘の前でも『あなたを信じているよ』というメッセージをしょっちゅう言葉にして、伝えるようにしていました。
これは私の中では、「特に何も言わないけど、あなたを信じてあなたのそばにいるから、大丈夫だよ」という無言のメッセージでもありました。そばで「なんで学校行かないの?」「学校行ってみたら?」など とごちゃごちゃ、声をかけるよりもうちの子にとっては 、そばで娘を信じながら見守ることが1番合っていたんじゃないかと、元気になった今では感じています。
病院へ受診する
最初は病院に行くことの必要性を私は感じませんでした。原因は病気でもなく、人間関係(友だち)でもないと感じていたからです。ですが、学校からは病院をすすめられました。個人的な考えですが、学校側からすると病名をつけたがる・・・ そういう傾向があるように私は感じています。
通院のための時間と診療費を費やすことに意味があるのだろうか?と感じながらも、学校の強い勧めと娘が受診をしてみると言い出したので、病院へ受診をしました。受診をしたことで立派な?!診断名がもらえました。
不登校の子供にありがちな「起立性調節障害」です。障害という名前がついていますが、身体や知能的に障害があるわけではなく、娘の場合は朝、低血圧で起き上がるのが人よりつらくて、頭痛がするという症状があることです。
人によって症状は様々なようで、身体がだるかったり、重くて動けなかったりという症状の人もいるようです。娘は1か月くらいは処方された血圧を上げる作用のある薬を飲みました。さらに、塩分が摂ること、水分を1.5ℓくらいは毎日摂るように指導されたので、毎日指導された通りにしました。
その後、違う視点から自閉症を疑われて、発達クリニックに受診をすることになったのですが、これが逆に私たち親子をいい方向に導いてもらえました。自閉症を診断するためのテストも受けたのですが、自閉症ではなく 、HSC(人一倍、敏感で繊細な子ども)という診断をもらいました。
受診した発達クリニックが不登校を専門にみている 先生だったので 、この出会いで、漢方薬を処方してもらい、服用しつつ先生から指示されたことをコツコツとやっていきました。3ケ月くらいは受診しましたが、娘は見事回復して元気に過ごせるようにったので、今は受診もしていません。
医療機関に受診したことでよかったことは?
■学校からの理解が得られる
発達クリニックの先生からの勧めで、診断書を学校やフリースクールへ提出しました。これは学校と家庭と医療機関が共通理解で、子どもと関われるようにするためです。診断書を提出することで、子どもとの関わり方の注意点を学校側へ伝えることで、娘がなまけているという偏見を持たせないためだったり、がんばることを強要されずにプレッシャーを与えないように、接してもらえるきっかけになったので非常によかった!です。
■病院を変えることで原因がわかる場合もある
娘の場合は体調不良が先に症状としてあらわれて、メンタルも落ち込んでいきましたが、私が思うには身体と心はつながっているのでどちらかが不調になると、もう一方も自然と不調になります。症状として出てきた場合には病院に受診してみることも 、何らかの病気につながっていることも考えられますし 、私たち親子のように不登校の解決のヒントをもらえることも、あるかもしれません。
うちの子の場合は受診をしましたが、誘っても嫌がるようだったら、子どもの思いを尊重して無理強いはしない方が良いと私は思います。
とにかくほめる
「1日3回以上は、子どもをほめる」ということをしました。これはセカンドオピニオンの先生から指示されたことです。「今日もがんばって朝起きれたね」「今日もフリースクールに行けてすごいね」など 、できて当たり前と思えるようなことでも、なんでもいいので褒めることを見つけて、必ず毎日褒めるようにしました。
この「ほめる」という行為がメンタルがどん底の娘を救ってくれたと思います。精神的につらいときって、自分を責めたり、自分の嫌なところばかり、目についてどんどんネガティブになります。「生きている意味がわからない」「死んだ方がマシだ」そんなことを毎日のように娘はつぶやいていました。
こんなでしたが、そこはあえて聞き流して、毎日ほめれることを探して必ず、声をかけるようにしました。1か月経っても変わりなし、2か月経ち、3か月経つころにはネガティブな発言を娘がしなくなり、朝も体調良く起きれるようになってきました。
ほめられるようになって、娘は生きやすくやすくなったようです。私の子育てはというと、怒る、注意するということは、ほとんどしないようにしていたことと、褒めるということはなるべく 、するように心がけていました。
それでも、ここ数年は私自身が仕事に追われてメンタルが追いつめられていたこともあり、娘をほめることは、少なかったと反省しています。子どもをほめることの大切さを知っておきながらも、できていなかったので、子どもの不登校をきっかけに、あらためて「褒めること」の重要性を実感させられました。
もし今、子どもが不登校で悩んでいるパパさんママさんが 、この記事を読んでいたといるとしたら、毎日子どもをほめてあげてください!と言いたいです。親がほめてあげることで子どもの心は安定します。さらに、親子の信頼関係も今よりずっとより良いものになります。
不登校の結果・・・
娘はHSCという特性を抱えているので、集団の場がつらく感じて中学校3年間は教室へ入ることは、できませんでした。ですが、別室登校で週2~3日は登校できるようになりました。中学校3年間は娘にとって日々、自分の身体と心と向き合った毎日でしたが、普通の子が経験しないようなことを経験したり、感じれた毎日だったようです。
学校へ登校できるまで回復したころに、ある日、つぶやいたひと言。「空はこんなに青くてきれいだったんだと気づけるようになった。」このひと言を聞いたときに、こんなにまで心が疲れていたんだなって実感させられました。
振り返ると今までの小学校生活は学校で勉強して、帰ってすぐにバスケットボールクラブの練習に行ったり、学校の陸上大会があれば、練習をしてクタクタになって帰ってきていました。行きつく暇もなく、夕食を食べて、毎日眠い目をこすりながら宿題をして、寝るのは22時~23時ごろ。
休日はバスケットボールクラブの試合でのんびり過ごす日は、少なかった高学年の時期を過ごしていました。これでは空の青さにも気づけなくなるほど、心も身体も疲れてしまいますよね。大人もそうですが、まして子どもなら、ぐったりです。それが不登校で心とからだを休めたことで下記のことに気づけました。
・自然の美しさを感じられる心の余裕ができたこと
・周りの人(友だち、スリースクールの先生、家族、学校の先生など)に支えられて生きていること
・自分のもっている特徴(HSC)がわかったこと
不登校を通してつらい思いもしましたが、貴重な体験ができたと中学校生活を振り返って、言っていました。中学校を無事卒業して、今は通信制の高校へ進学をしています。娘は夢をもって、自分に合う新しい環境で学校生活を楽しんでいます。
中学校から不登校になり3年間は浮き沈みがはげしい日々を過ごしてきましたが、周りの人に支えられながらも 、のり越えて、高校進学もできて、一歩前進もできました。パパさんやママさんが我が子の不登校について焦ったり、どうしたらいいのか?と悩む気持ちもわかります。
悩んでいるのは不登校のお子さんも同じだと思います。不安な親の背中を見せるよりも、「大丈夫だよ」と子どもの気持ちに寄り添って一緒に過ごしてあげること、見守ってあげることが子どもにとっては心強くもあり、安心して過ごせるきっかけになるのではないかと、私は思います。
不登校を乗り越えたときに、お医者さんから勧められた本がありました。私はとても参考になったので不登校で悩んでいるときには、おすすめの本を紹介します。
おすすめの本
この本が背中を押してくれた1冊でした。もし、子どもの不登校で悩んでいるとしたら、一度、目を通してみると、解決につながると思います。
うちの子の不登校の時の生活の様子を書いているブログがあります。参考になるかわかりませんが興味があるようでしたら、のぞいてみてください♪
まとめ
今は不登校で子どもにどうかかわったらいいのか、わからないという思いがあるかもしれません。私は子どもの意志を尊重することを大切にしつつ、病院の先生や学校の先生と連携をとりつつ、子どもを見守ることで 、のり越えてきました。
子どもの思いによりそいながら、親も子育てについて 本などをとおして勉強していくことも、解決のヒントになると実体験を通して感じました。不登校に悩むお子さんやパパさんママさんの力に、少しでも慣れたら嬉しいです。最後までご覧いただきありがとうございました。
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